オープンウォーターダイバーが潜れる「水深」とその理由とは?
ダイバーの第一歩と言われているオープンウォーターダイバーライセンス(OW)。
ライセンスを取得すると体験ダイビングでは潜れないようなポイントでダイビングをすることができたり、新しい生物と出会えたりと海の世界が一気に広がります。
そこで気になってくるのが、オープンウォーターダイバーを持っていると何mまでダイビングすることができるのか?
これを知っておかないと、
「あの沈船を自分の目で見てみたいからダイビングライセンスを取得したけど、オープンウォーターダイバーが潜れる水深以上の深さでダイビングすることができなかった。」
なんてことなるかもしれないので、ここでオープンウォーターダイバーは一体どれくらいの水深まで潜ることができるのかを頭に入れておいてくださいね!
ダイビングライセンスを持っていてもどこまでも潜れるわけではない
ダイビングライセンスを取得すると「タンクの空気が続く限りどこまででも潜れる」と思っている人が多いのですが、そんなことはありません。
そもそも、オープンウォーターダイバーのライセンスに関わらず、趣味でダイビングする場合の潜れる水深(最大水深)は40mまでと決まっています。
ちなみに40mというのは13階建てマンションぐらいの高さです。結構高いですよね。
なぜ、タンクの空気の量に関係なくダイビングできる水深が決められているかと言うと、「減圧症」に関係があるからです。
詳しく説明すると難しいのでここでは簡単に説明すると、「深く潜れば潜るほど減圧症の危険性が高くなり、減圧症のリスクが低く抑えられるラインが40mまで」ということですね。
オープンウォーターダイバー何mまで潜れるの?
ではオープンウォーターダイバーのライセンスを取得すると最大何mまで潜れるようになるのか?
オープンウォーターダイバーは最大18mの水深までダイビングすることが可能です。ちなみに18mはマンションで言うと6階建てくらい。
これは、どのダイビング団体でも同じ決まりになっています。
18mよりさらに深い深度でダイビングをする場合は、オープンウォーターダイバーより上のライセンスであるアドバンスオープンウォーターダイバー(AOW)が必要です。
さらに深い深度の40mまでダイビングをするには、スペシャリティコースの「ディープダイバー」を受講する必要があります。
潜る深度でのいろいろな違い
持っているダイビングライセンスによって潜れる水深が変わってくるわけですが、ではその水深によってどのような違いがあるのか見ていきましょう。
水温
潜る水深によって水温は結構変わってきます。
とくに夏場は水面近くは太陽の熱で温められているので30度近くありますが、深場の水温がグッと低いところもあるので、薄いスプリングなどで潜っていると寒く感じることもあり注意が必要です。
水温変化が大きいところでダイビングしていると、水がモクモクして見える現象をみることがあります。
これはサーモクラインと言って、水温の変化が激しい箇所にできるもの。
この境目に手を伸ばすと、境目の向こう側は冷たく、こっち側は温かいという面白い体験ができますよ!
楽しみ方
水深によって生息する生物や環境が違うので、様々な景色を見れるのもダイビングの魅力の一つ。
例えば、USSエモンズが沈んでいる場所は沖縄で有名な沈船ダイビングポイント。
ここは水深40m近いところまで潜る必要があります。
他にも水中に長い縦穴があいている万座毛付近にある万座ドリームホール。ここは30m近く潜る必要があります。
水深によって楽しみ方も変わってきますし、潜るポイントによって自分が潜れる水深が関係してきます。
感じ方
基本的に人間の体はほぼ水分でできています。
なので、水圧の影響はほとんど受けないようになっていますが(肺以外)水深30mくらいまで潜ると人によっては少し体を締め付けられたり、呼吸がしづらかったりするような感覚になる人もいるようです。
その他にも深い水深では「窒素酔い」といって深い水深だと窒素がお酒に酔ったような症状を引き起こす場合もあります。
減圧症
ダイビングの潜る水深と切っても切り離せない関係がこの減圧症です。
最初のほうにも触れましたが、潜る水深が深くなればなるほど減圧症になってしまうリスクが高くなっていきます。
減圧症にならないようにダイブテーブルやダイブコンピューターといった体内の窒素量を計算できるものを活用してダイビングを行うわけですね。
どれくらいの時間潜れるの?
どのくらいの深さに潜れるの?という質問と同じくらい聞かれるのが、ライセンスを取るとどれくらいの時間ダイビングできるの?という質問。
実はライセンスが持ってても、持っていなくても基本的には潜れる時間は変わりません。
そもそも、ダイビングの潜水時間を決める要因として大きく2つあります。
一つがタンクの残圧(残りの空気の量)と、もう一つが減圧症です。
タンクの残圧は単純に空気がなければ水の中にいることができないということ。
そして減圧症については、遊びのダイビングでは「無減圧可能潜水時間」というのが決められています。
これは、簡単に言うと減圧症のならない潜っていられる時間です。
この無減圧可能潜水時間は潜る深さによって違い、細かく決められています。
例えば、水深18mであれば56分まで。それ以上の時間潜っていると減圧症になるリスクが一気に跳ね上がります。
潜っている時間はこういった減圧症のリスクも関係して決まってくるわけですね。
まとめ
オープンウォーターダイバー(OW)を取得すると最大水深18mまでのダイビングが可能になります。
18m以上の水深でダイビングをする場合にはOW以上のライセンスが必要。
水深は減圧と深く関わってくるので、ダイビングをするときはダイブテーブルやダイブコンピューターを使って安全に潜れる水深・時間で楽しみましょう!